原子力施設のトラブルに対する国際原子力事象評価尺度(INES)の適用について 平成19年11月13日 経 済 産 業 省 原子力安全・保安院 平成19年11月13日、経済産業省において総合資源エネルギー調査会原子力安 全・保安部会INES評価小委員会(委員長:班目春樹 東京大学大学院工学系研究 科教授)を開催し、別添のとおり評価を実施した。 評価結果は下記のとおりである。 なお、本小委員会は当省所管の原子力施設で発生したトラブルに対して、専門的・ 技術的立場から国際原子力事象評価尺度に基づき評価を行うために設けられているも のである。 記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 発生日 施設名 件 名 評価結果 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 東北電力(株) 高圧注水系試験用 レベル0− 5月22日 女川原子力発電所 調整弁の損傷 1号機 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 東京電力(株) 原子炉格納容器 レベル0− 6月 8日 福島第二原子力発電所 鋼板部の一部損傷 2号機 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 東京電力(株) 非常用ディーゼル レベル0− 6月25日 福島第一原子力発電所 発電機1台の損傷 1号機 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 中部電力(株) 平均出力領域モニタ レベル0− 7月 5日 浜岡原子力発電所 1チャンネルの動作不良 5号機 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 東京電力(株) 平成19年新潟県 評価対象外 7月16日 柏崎刈羽原子力発電所 中越沖地震における 3号機 所内変圧器の火災 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 東京電力(株) 平成19年新潟県中越沖 レベル0− 7月16日 柏崎刈羽原子力発電所 地震における原子炉建屋内 6号機 非管理区域への放射性物質 を含む水の漏えい −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 東京電力(株) 平成19年新潟県中越沖 評価対象外 7月24日 柏崎刈羽原子力発電所 地震における原子炉建屋 6号機 天井クレーン走行 伝動継手部の破損 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 東京電力(株) 平成19年新潟県中越沖 レベル0− 7月25日 柏崎刈羽原子力発電所 地震における原子炉建屋 オペレーティングフロア への溢水 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 関西電力(株) 封水注入フィルタ付近 レベル0− 9月 3日 大飯発電所 からの漏えい 1号機 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成19年 北海道電力(株) 非常用ディーゼル発電機 レベル1 9月19日 泊発電所 2台の動作不能 1号機 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 別添5 原子力施設のトラブルの評価について 1.発電所 柏崎刈羽原子力発電所3号機(沸騰水型:定格電気出力110万キロワット) 2.発生年月日 平成19年7月16日 3.件名 「平成19年新潟県中越沖地震における所内変圧器の火災」 4.事象内容 平成19年新潟県中越沖地震発生(7月16日10時13分)後、10時15分、運転員が3号機所 内変圧器3Bからの発煙を確認し、12時10分、消防署により鎮火が確認された。なお、 当該変圧器横に設置されている防火壁によって隣接する所内変圧器3Aや他設備に延焼 することはなかった。 点検調査の結果、所内変圧器3Bの火災の原因は以下のとおりと推定した。 @今回の地震により変圧器と周囲の基礎面が沈下した際、沈下量に差が発生し、二次 側接続母線部ダクトが変圧器側接続部より約16〜18cm 落下して変圧器二次ブッシ ング端子部に接触した。 Aこの際の衝撃及び二次側接続母線部側導体の変位による下方向への引っ張りにより 変圧器二次ブッシング碍管が損傷し漏油を発生した。 B加えてダクトが落下した際に、ダクトがブッシング端子部と接触し三相地絡・短絡 を引き起こし、大電流のアーク放電が火種となって変圧器火災が発生した。 Cさらに変圧器二次側と二次側接続母線部ダクトの接続部が損傷開口したため、その 部分から着火した絶縁油が基礎面上に流出し、延焼した。 本事象は、所内変圧器二次側接続母線部のダクトの基礎が地震で沈下し、ダクトと接 続端子が接触することにより、ブッシングが破損及び漏油するとともに、地絡・短絡に よるアークが発生し、所内変圧器が引火、火災に至ったと推定される。 なお、発電所外及び発電所内における放射性物質の影響はなかった。 5.評価結果及び判断根拠 本事象は、地震により所内変圧器の絶縁油が流出し、さらに地絡・短絡によるアーク が発生して引火し、所内変圧器が火災したものであるが、原子炉施設の安全性に関係し ない事象であるので、評価対象外と判断される。 |