1.事象の評価(INES) (1)レベル:1(2003年7月22日の評価) (2)暫定又は最終評価: 暫定評価 2.件 名: 燃料移動用補助プールで起こったCo-60の保持装置からの逸出を含む放射線事象 3.国 名: アルゼンチン 4.施 設 名 : EMBALSE 5.炉 型 : CANDU 6.発生年月日: 2003年7月1日 7.本事象の公衆への重要度 事故 ○異常な事象 尺度以下 評価対象外 (1)所外への影響 放射性物質の所外への放出 : なし 公衆の放射線被ばく : なし (2)所内への影響 汚染の拡大 : なし 従事者の放射線被ばく : なし 放射線防護設備の損害 : なし (3)深層防護の劣化 : あり (4)負傷者の有無 : なし (5)継続問題の有無 : なし (6)報道機関への通知 : なし 8.事象の概要 2003年7月1日に11.47 PBq(P:ペタ、10の15乗)のCo-60をいれたB(U)型輸送物がエンバルセ 原子力発電所の燃料移動用補助プール水中に入れられた。この目的は47本のジルカロイ棒(1 本に16ヶのCo-60スラグ(訳注:塊)が入っている)からなる内部グリッド(保持装置)を取り出 し、空になった輸送物を燃料移動用プールから取り出して検査と保守をすることにあった。 当該輸送物は最近補修されたのでこうした作業が必要になったのであり、加熱サイクルの前 後に耐漏水性試験要件を満足することを確認するために放射性物質を挿入し、取り出しをす るというのは通常の手順である。 燃料移動用プールで空になったと思われた輸送物を引き上げたとき本事象は起こった。輸 送物が水深1 mの位置にあって0.1 Sv/hの線量率を検出したとき放射線防護官は通常の手順に よって放射線を監視していた。線量率は燃料移動用プール建屋のエリアモニタによっても測 定されており、線量率高警報がでた。このあと当該容器の引き上げは直ちに中止されて燃料 移動用プールの底に戻された。 その後、Co-60スラグ3ヶがまだ当該輸送物内に残っており(放射線源が検出された。)、 6ヶのCo-60スラグが当該輸送物から落ちてプールの底にあることがわかった。 結論 燃料移動用プール内で内部グリッドを取扱っているときジルカロイ棒1本のシールがなく なり16ヶのCo-60スラグのうち9ヶがジルカロイ棒から出たことがわかった。Co-60スラグ3ヶ は当該輸送物内で見つかり、他の6ヶのCo-60スラグは当該輸送物から落ちて燃料移動用プー ル底に至った。 本事象はジルカロイ棒と呼ばれる密封線源閉込機能喪失に関連した放射線リスクのため重 大と判断される。こうした放射線リスクは輸送物への挿入と取り出しだけでなく、輸送中や 輸送の前の定期的試験でも避けられなければならない。本事象の根本原因を策定する調査は このように始められている。 |